どうしたらお金がもらえる文章が書けるのか?
沢山の人に読んでもらえるブログの書き方のコツは?
プロのライターとしてやっていくには、どんな文章が書けないといけないのか?
そんなことを思いながら本書を読みました。
著者の堀井憲一郎氏は、独自の視点と実地の調査をもとに人気コラムを書き続けるライターで、数年にわたり「編集ライター講座」で教えてきた方だそうです。
著者の主張が簡潔に本のカバーに書かれていますが、
文章はサービスである。
読んだ人を楽しませるためのみに文章は存在する。自己表現のために文章は書くものだと考えている人がいるだろうが、大きな間違いである。
「自己表現を目的とした文章」は基本的に他人に読んでもらえるものにはならない。
初めて文章法の本を読んだ私は、頭をガツンと殴られたような内容でした。
明確に考えたことがなかったですね。
私は、半年前にブログを始めたのですが、なかなか記事をアップできなくて困っています。
どうしたら人に読んでもらえる記事が書けるのかなと思いながらこの本を読みました。
そして、この本の内容が今後のブログ記事を書くときの大切な心構えになると思いました。
それでは順番に本の内容を紹介していきます。
✔目次
文章はサービスである
未熟な自分を晒して書け
誰に何を伝えたいのか
文章は人を変えるために書け
“つけ麺やすべえ”についての学生のレポート
本の目次
私の結論 友達に語るように書こう
文章はサービスである
文章はサービスである。
読んだ人を楽しませるためにのみ文章は存在する。
自己表現のために文章は書くものだと考えている人がいるだろうが、大きな間違いである。
いきなり結論が本のカバーに書いてあります。
著書の途中でも述べていますが、結論から言いなさいとあります。
p16
文章を書くことの基本精神はサービスにある。
文章を書くプロはあきらかにサービス業者なのだ。
金をもらって文章を書くかぎり、みんなその意識を持っている。
サービスとは「読んでいる人のことを、いつも考えていること」である。
p18
アマチュアの人は、まず、自分の書いたものが大事で、それが守られる前提で、その後に読んだ人のことを考えている。
読み手は二の次になっている。
大事なのは、自分が書く内容だ、と考えるのがアマチュアの特徴です。
p21
雑誌を書くライターとして、想定しているのは「きわめて不親切な読者」である。不熱心な読者と言ってもいい。
私個人に興味などなく、私の話を聞こうとして(私の書いたものを読もうとして)雑誌を手に取ったわけではなく、たまたま偶然、私の文章を目にした読者。それが「プロの物書きが想定する基本読者」である。
褒めてもらいたい文章を書く人は、その設定があきらかに甘い。
ここで大切なことは、読者の設定だそうです。
どんな読者が読むのか? 素人はその設定が甘く、読者のことを考えていないそうです。
未熟な自分を晒して書け
p27
基本、文章を書くことは、自分を“さらす”ことだ。
少なくとも晒す可能性はいつも秘められている。
自分をまったく晒さずに文章を書くことはできない。そこは覚悟しないといけない。
p28
“文章を書いているのに、自分を隠したい”その矛盾を超越して意味のわかる文章に仕上げるような職人芸はふつうの人間は持ってないし、もちろんプロも持ってない。(自分を晒すつもりのないプロはふつう存在しない)。
確かにいわれるとおりですね。
自分を晒さない文章で人を惹きつけることはできないですよね。
誰に何を伝えたいのか
p30
誰に何を伝えたいのか。
よくこういう問いが建てられるけど、「誰」だけが大事です。『何を伝えたいのか』は、あとまわしでいい。場合によってはまったく気にしなくていい。
誰に伝える文章なのか。誰が読む文章なのか。まず、文章を書くときは、そこから入る。
ただ、誰に、を設定しただけで終わってはいけない。ここから踏み込むかどうかが大きな分かれ目である。壁のひとつはここにある。(つまりアマチュアの人は、ほとんど踏み込むことがない、ということだ。)
大事なのは、誰に、を決めることではなく、誰に、が決まったあと、その人はどういう気持で文章を読むのだろうか、というところまでリアルに考える、ということだ。
笑わせたいと考えると、楽
p37
笑わせるためだけに、文章を繰り返し書いて、いろんな可能性に挑戦する、というタイプが、あまり世の中には存在しないようなのだ。笑わせたいやつはもっと肉体的に行動するし、文章を書くのが好きな人は、人の感情の一部を直接動かそうとはしない、ということなのだろう。事実、見渡すかぎり、そうである。
笑わせたいという考えから始めると、ずいぶんと楽である。
そもそも気取らない、。賢いとおもわれたくない。おもってくれてもいいけど、まずおもわれない。難しい言葉を使ったり、無理な感じを使ったりもしない。(そういうギャグの場合は別だが)。文章書きの最初の壁、自分の言いたいことよりも読む人の気持ちを優先してかく、をあっさりとクリアできるのだ。
文章は人を変えるために書け
p053
「知らなかったことを知る」
そのとき、人は面白いとおもう。
簡単に言ってしまうとそうなる。
知らなかったことを知ったときに、人は、何かが変わった感じがする。本当に変わったかどうかはわからない。でも、自分で何かが変わったとおもうことが大事だ。
p053
『お客さんの時間をいただいて自分の書いたものを読んでもらうのだから、読んだあと、読む前と何かが変わったとおもっていただけなければいけない』
p050
読んでくれる人はさほど自分に興味がないという事実を冷静に受け止めて、自己表現の前に、向こうを読む態勢にする工夫をすることだ。
p051
優れた文章とは、ひとつのことだけをわかりやすく書いていて、ストレートに言いたいことが伝わってくる。ちゃんとした文章は必ずそういう出来上がりになっている。
p056
文章を書くかぎりは、人を変えるものを書かないと意味がない。
それには明確に読者が意識されているほうがい。どんな読者なのかをきちんと把握しておくことが、とても大事になってくる。
読者は絞ったほうがいい。
絞った相手に、本気で語ると、伝わる。
読んでくれる人を広く考えてしまうと、文章はひたすら拡散してしまう。
“つけ麺やすべえ”についての学生のレポート
この事例紹介が面白かったので、長いですが引用します。
p069
「ここのつけ麺はスタンダード的な印象を持っているのですが、他を食べていくにつれ、よそより甘いものだということを知りました。面がやや水っぽいので、それにタレの味が合わさると、まさに、まさに、という感じのいい濃さになります! そこがすごい!」
「味は甘いので好き嫌いが出るが、好きな人には、もう、たまらない。私は大好きです。もう大学入ってから50回以上行ってるとおもう。いや、もう少し行ってるかな。とにかく定番中の定番です。」
「たぶん味のベースみたいなものはその辺のつけ麺とあまり変わらないとおもうのだけれど、独特の甘みと短冊状に切った豚の脂が原因なのか、食ったときに妙に脳内麻薬が出るような不思議な味わいがある。つけ麺色々食ってますが、この感じってのは他に実はあんまり無いんですね。麺ののどごしの良さも大好きなポイント。麺の太さとか香りなら他にもいい店があるんですが、つるつるした食感だけは、これだけはもう圧倒的にここが一番だとおもう」
読んでいてうまそうだ、食いたいな、とおもわせる力がある。
文章の巧拙を越えて、何とか、自分がうまいとおもったものを他の人にもうまいとおもってもらいたい、という気持が出ている。そういう文章は、いい文章です。
ラーメンだけではない。何だって同じだ。自分を出すしかない。
p074
文章は、ふつう独断と偏見によって書かれるものなのだ。独断も偏見もない文章は残念ながら読むに堪えない。
p075
人に話して楽しいこと、自分が好きなもの、そこから始めるのがよろしい。
そのときに発する熱が一種異様さを帯びると、その対象に興味がない人も惹きつける。
それは、その、話している内容や対象物ではなく、話している当の本人の情熱が異様でおもしろく、その熱を感じたくて、人が寄ってくるのだ。
本の目次
はじめに
1章 プロとアマチュアの決定的な差
2章 文章は人を変えるために書け
3章 客観的に書かれた文章は使えない
4章 直感のみが文章をおもしろくする
5章 文章は言い切らないといけない
6章 文章で自己表現はできない
7章 事前に考えたことしか書かれていない文章は失敗である
8章 文章を書くのは頭ではなく肉体の作業だ
9章 踊りながら書け
終章 内なる他者の形成のために
あとがき
私の結論 友達に語るように書こう
この本を読んで私が考えたことは、
記事の内容は、友達に語るように書こうということです。
友達に説明するような感じで、冒頭で興味を惹きつけ、結論→理由という順序で語る。
こういう感じが良いんじゃないかなと思いました。