単語耳英単語八千を一生忘れない「完全な英語耳」理論編+実践編Lv.1
自分の発音をなんでネイティブの人は聞き取ってくれないんだろう?
英語の発音って、そもそもどんな音なの?
発音記号の音ってどうやって発音するの?
そんな英語の発音に対して劣等感を持っている方にオススメな本が、今回レビューする
松澤喜好著 単語耳 理論編+実践編Lv.1
です。
この本は、英語の正しい発音を独学するのに最適なテキストだと思っています。
私自身がこの本の発音練習で、ある程度は正しい発音を真似できるようになったと思っています。
※実際にネイティヴと会話したことないので、本当の実力は分かりませんが。
この本の構成は、前半:理論編、後半:実践編となっています。
理論編では著者の考える英会話に必要なスキルと知識が述べられていて、後半では具体的に発音練習をして英語発音のパターンをマスターしていきます。
私はどんな人?
私は中学高校と大学受験で英語を学びましたが、日常英会話はおろか、洋楽の歌詞も英語ニュースも聞き取れないレベルの英語学習者です。
ここ10年ほど独学で、単語耳Lv.1・単語耳Lv.2を使って発音を学び、NHKラジオ「英会話タイムトライアル」を2年やり、英会話なるほどフレーズ100を1年ほど勉強してきました。
片道45分の自動車通勤で、CDを流してシャドウイングしてきました。
それで、多少は英語が聞き取れるようになったと思っていますが、TVニュースの英語や映画の音声はほとんど聞きとることができません。
英会話スキルに関しては、発音以外には大学生の頃から何の進歩もしていないのです。
そんな私が単語耳Lv.1を読んで実践した結果を報告していきます。
単語耳Lv.1で私が出来るようになったこと・やっぱり出来ないことを自己分析を含めて紹介していきます。
英語発音の学習に参考になれば幸いです。
✔目次
著書の内容
英語学習は発音から始めるべき
英語を頭から理解する
英単語にはOE系とラテン語系がある
多読がリスニング力強化に効果的
出来るようになったこと
英単語の発音をカタカナ英語から入れ替えた
たまに英単語が聞き取れるようになった
やっぱり出来ないこと
単語の語彙力は身につかなかった
日常英会話も出来るようにはならなかった
洋楽の歌詞や英語ニュースも聞き取れない
著書の目次
著書の内容
英語学習は発音から始めるべき
英会話の達人になるには、英語の正確な発音を身につけることだと言われます。
この本で、理論を学び、「正しい発音」で単語を暗記して脳に焼き付けることが、ネイティヴ並みの英語会話力を身につける最短コースだと言われます。
著者が考える、単語の習得順序は
1.発音
2.意味
3.スペル
4.使い方(熟語、単語の文法規則)
ネイティヴとの英会話で必要なのは、英語を理解するスピードです。
(1)相手の話を理解して聞きながら、
(2)同時に「そんなバカな」「そう、そのとおり」などと考えながら
(3)同時に「こう言ってやろう」と自分の言いたい文章を考えている。
会話を3倍速で理解できて初めてこれらが可能になります。
・英会話では、すべての音を聞きとらなくても良い
・アクセントのある音節で単語を識別する
以上のことが重要と言われています。
文法の習得は絶対に必要。英語を頭から理解する
文法を学ぶとは、一言に集約すると、「英語の語順を学ぶこと」。つまり語順の感覚を身につけることです。頭から順に英文を理解すること、と言ってもいいでしょう。
日本語と英語は文法がまったく違うと言われますが、何が違うかというと、「語順がまったく違う」わけです。
ひとつは、単語をある程度どのように並べてもよい方法です。日本語やラテン語などがこうした言語です。それらでは、単語の位置を変えても文章の意味は変わりません。
もうひとつは単語の並べ方に意味を持たせる方法です。英語が代表例です。文中における単語の「位置」によって、個々の単語の持つ「意味」、つまり文章の「意味」が変わります。
(中略)
つまり、英文法の神髄とは、“単語の位置にも意味がある”ということなのです。
多読がリスニング力強化に効果的
読むことと聞くこととは、実は目と耳という入力器官が違うだけで、脳内では同じ辞書が検索され、同じ語源イメージが使われ、同じ文法処理がなされています。
読んでも聞いてもネイティヴの頭の中では、膨大な情報の中から文字と音が検索され、統合されているのです。
日本語では普通に行われているこうした“統合された理解”が、英語でもできるようになると、その後は、読んでも聞いても言語に関する「文字」と「音」の情報が、どんどん脳内に整理、蓄積されていくようになります。
つまり、読んで知ったことが聞いてもわかるようになるのです。聞いて知ったことが、読んでも分かるようになるのです。
こうなると、その後は脳が勝手に英語をマスターする方向にあなたを導いてくれます。
あとは、日々の生活の中で英語に触れるだけで、読書を楽しんでいるだけで、リスニング力や語彙力が知らない間にどんどん向上していきます。
英単語にはOE系とラテン語系がある
実は、英語の語彙には2つの系統があります。英語は2つの言語が組み合わさってできているからです。
その2つとは、
1.本来の英語(OE:Old English)
2.ラテン語
です。(中略)
英語は、ラテン語の単語をどんどん取り入れ、本来の英語との2重構造になりました。この構造を知っておくと、語彙の習得がやりやすくなります。
1.本来の英語(OE)系単語の特徴
OE系の動詞(have,get,give,make,take,doなど)は、ラテン語系の動詞とまったく性質が異なります。
これらの動詞は、日本語の動詞と比べ、信じられないほど守備範囲が広いことが特徴です。
たとえば、haveやget,make の使われ方をいちいち1対1の日本語訳で置き換えようとすると、それぞれ数十の訳が必要になります。
haveはあ「ある状態を有する」、getは「ある状態になる」、makeは「(がんばって)ある状態に変える」など、より広い概念で動詞の意味を捉えておきましょう。
2.ラテン語系の単語の特徴
いっぽう、ラテン語系の単語(appoint,reserve,restore,installなど)は、動詞も含めて日本人には理解しやすいと思います。
単語の意味の守備範囲が狭いので、日本語訳とほぼ1対1で意味が対応するからです(だからこそ日本人はすぐラテン語系の動詞を思いつき、使いたがるのでしょう)。
ラテン語系の単語は、接頭辞と語根の組合せで単語数を増やしてきた歴史があります。語根が一緒の単語は、その基本イメージが一緒なので、意味を連想しやすいというメリットがあります。
ちょうど漢字の偏が、「木偏」には木に関連するもの、「さんずい」は水に関連するもの、という共通イメージを持っていることに似ています。脳に優しいのです。
私が出来るようになったこと
英単語をカタカナ英語から入れ替えた
私はこの本の実践編での正しい英語発音の練習を通して、子どもの頃から刷り込み続けたカタカナ英語を英語ネイティヴの発音にある程度入れ替えられたと思っています。
私が英語発音を学ぶ中での最初の感動は、seaとsheの発音の違いがわかったことでした。
(そんなことも知らずにいたの? と突っ込まれそうですが…)
「英語ネイティブの人は、この日本人にはカタカナでは同じに聞こえる音をどう区別しているのか?」
ずっと不思議に思っていましたが、この本で根本的に違う音であることがわかりました。
次に驚いたのは、fとvの発音です。
これ、日本語の発音にはないんですよね。
fとvは「上前歯の先を下唇に軽く触れさせ息を通す」方法で音を出します。
この発音の練習を夢中になって続けていたら、唇が切れそうになりました。
this,think,that,theの発音もやっとわかりました。
中学生のとき使っていた辞書では、カタカナで「ディス、ジス」と書いてあったような気がします。
これも日本語にはなくて、「ティス」で習った方がまだましだろうと思います。
「何で中学の先生は、正しい発音を教えてくれなかったんだー」と恨みたくなります。
中学校入学以来の謎が、やっと解けました。
そんな感じで、基本的な発音パターンを学ぶことで、英単語を発音記号のように発音できるようになりました。
ついでにいえば、多くの単語がアルファベットを見て発音できるようになりました。
リスニング力は、たまに英単語の音が聞き取れるようになった感じですね。
発音レベルは間違いなく向上していますが、洋楽の歌詞や洋画のセリフもあまり聞き取れないです。
でも、単語耳での発音練習は必要不可欠な訓練だったと思っています。
これ無しに、正しい英語発音の習得は不可能だと思うからです。
やっぱり出来ないこと
洋楽の歌詞や英語ニュースは相変わらず聞き取れない
単語耳Lv.1の実践編で、最頻出単語1000語(JACET1000)の発音を身につけたと思いますが、やっぱり洋楽の歌詞や洋画のセリフはほとんど聞き取れないです。
(今は、VOA Learning English(Voice of America Learning English)のBeginning Level の動画ならかなり聞きとれますが、VOA Learning English の発音は単語毎に区切られていて初心者にも聞きとりやすいからです。)
私が日常英会話を聞き取れるようにするためには、「海外ドラマはたった350の単語からできている」のCozy氏が言われるように、音声のディクテーションをして鍛えるのがいいかと考えています。
【書評】Cozy著 海外ドラマはたった350の単語からできている
とにかく、あとは慣れるしかないですよね。
単語の語彙力は身につかなかった
いくら発音を覚えても、単語の意味の理解は別ものですね。
単語帳を作るか何かして覚えるしかないのかなと思います。
雑誌「President」の英語勉強法企画を読んでも、基本は単語と文法みたいです。
まずは中学生レベルの基本的な単語と文法を、学び直すしかないのかなと思います。
日常英会話もできるようにはならなかった
音が聞こえなくて単語がスッと出てこなければ、片言でも単語の羅列ですら会話をすることもできません。
日常英会話に関してはスピーキングの瞬発力が必要であって、リスニング力がいくら向上しても話すことには無意味ですよね。
これが私の「単語耳Lv.1」を実践した結論です。
以上のできなかったことへの課題解決は別の方法に求めるべき問題だと思い、この本に求める部分ではないと考えています。
著書の目次
はじめに
導入~『単語耳』で人生はこう変わる!
理論編
第1部 英語耳づくりの旅へ、船出しよう!
第2部 実践! 英語耳への道のり~発音編
第3部 英語耳を完全にするために~語彙編
第4部 誰でもできる、読書のススメ~多読編
実践編Lv.1
「完全なる英語耳」への実践練習
基本1000語で子音・母音を極める
第1部 発音バイエル<子音>編
第2部 発音バイエル<母音>編
第3部 発音バイエル<R>編
巻末表1 abc順単語リスト1000
巻末表2 JACET番号順1000語
あとがき
単語耳英単語八千を一生忘れない「完全な英語耳」理論編+実践編Lv.1