夏、今お住まいの家が暑くて何とかならないかと思っている方へ、
自然の風を利用して風通しをよくするアイデアをお伝えしていきます。
先ずは風の基本的な流れ方を理解していただき、ご自宅にあった方法を使っていただければと思います。
自己紹介
記事を書いている私は、二級建築士、一級建築施工管理技士、宅地建物取引士で、建設会社で住宅の新築・増改築・リフォーム等に27年ほど関わってきました。
✔目次
お住まいの地域の卓越風(風配図)を調べる
自宅周辺では風はどう動くのか
家の中を流れる風
風は正面でなくても取り込める
お住まいの地域の卓越風(風配図)を調べる
卓越風とは、地域の上空を流れている風です。
地域によって風向きや風速は異なりますので、あなたがお住まいの地域の風がどのような傾向があるのかをつかみます。
では、順に説明していきます。
下記のサイトにアクセスします(青字をクリックして下さい)
↓
自立循環型住宅HP 気象データhttps://www.jjj-design.org/program/windrose/
お住まいの都道府県をクリック
お住まいの地域の近くをクリック
お住まいの地域近くの風向・風速を分析した気象データを取得できます。
ここでは、岐阜県多治見のデータを見ながら説明していきます。
●平均風速
起居時(7~23時)、就寝時(23~7時)、終日の平均風速を示しています。
※住宅建築での通風を考慮しているため、6月~9月の平均値です。
●開口面設置に適した方位の判定表
どの方角からの風が期待できるのかを示しています。
多治見では起居時は西南西の風が期待できそうですが、就寝時の風は期待できません。
●図4a 月別風配図(起居時)、図4b 月別配風図(就寝時)
起居時及び就寝時の風の発生頻度を月毎に表しています。
※このデータを元に、開口面設置に適した方位の判定表を作成しています。
自宅周辺では風はどう動くのか
では、自宅のまわりではこのように風が吹いているのでしょうか?
風配図と同じ方角に風が吹いているでしょうか?
そうであれば、このまま進めましょう。
そうでなければ、河川や道路、隣接建物などの影響で流れが変わっていると思います。
地域全体としては、卓越風の方向からの風が吹いているのでしょうが、地表付近では、河川や道路に沿って風は吹いています。
そして、自宅まわりでは隣の家や樹木などによって風向きが変わっているのです。
建物の配置によっても風向きは変わります。
このように、凹んだ部分を作って風を受けることで、効果的に風を取り込めます。
いずれにしても、自宅まわりで風の吹いてくる方向が分かれば、夏の暑さを解消する手がかりがつかめます。
あなたのお宅では、どこの窓を開けると風が入ってくるのでしょうか?
家の中を流れる風
家の中を流れる風を考える上で大切なことは、風の入口と出口が必要ということです。
せっかく、真正面に大きな窓があり風を受けたとしても、出口がなければ空気の動きは小さくなります。
出口があって初めて空気が動きます。
窓の配置によっても換気量は変わります。
窓が対角にあると、空気の入れ替わりが多くなります。
他には、
①風はとりあえず真っ直ぐ進む
②壁に当たると曲がる
③他の風の流れに引張られる
④近くの出口から出て行く
といった特性があります。
風は正面でなくても取り込める
家の外で風があっても、家の中には風を取り込めないこともあります。
そんな場合はウインドキャッチ効果を試してみましょう。
正面ではなく横に流れる風を取り入れるために袖壁を活用するのです。
例えば、ついたてを建てるとか、物置などを置いて壁を作るという方法でも構いません。
壁に風が当たることで流れが変わります。
これで家に入る風が増えて、心地よさが増せば何よりです。