目次
1.この本の内容
2.どんな人に向いているのか?
3.本の目次
4.僕の心に刺さった内容
5.最後に
1.この本の内容
生きていると色々な悩みが生まれてきます。
僕の場合は、仕事でお客様や上司に無理難題を言われた、まわりの人が自分を傷つけることを言った、とにかくイライラさせられることばかり起きます。そんな時に僕はこの不安をどう解決したらいいのか?
僕がそんな気分になったときは、一人で喫茶店に行き、ノートにイライラをぶつけていました。
「あいつはどうしてそんな酷いことを自分にするのだろうか?」「そんな言い方をしなくても、別の言い方があるだろう」
イライラした気持を書き出した後で、次にこう考えました。
「自分はどうしてこう感じるのだろうか?」「この経験が僕の将来にプラスになるとしたら、どんなふうに利用すればいいのだろうか?」「自分を外して客観的に見ると、周りからはどう見えるのだろうか?」といったことを考えていました。そうすると、自分にも少しは譲歩することがあると気づくこともありました。
たまに、自分勝手な思い込みに気づいたときは、とても晴れ晴れとした気持になりました。
この本では、そのような自分が納得できる気持になれるまでの、具体的で体系化された方法が書かれています。
自分が無意識に囚われている理想像に気づくための手順を丁寧に教えてくれています。
また、多くの事例を紹介してくれていて、自分の苦悩の原因にも気づきやすくなっています。
インドの辺鄙なところに、世界中から「心を学ぶ」ために超一流の人々が集まる学校があるそうです。
そこで参加者は、自分自身と向き合う時間を得て、自分が今抱えている問題や感情、それらを含めた自分の生き方の整理を始めるそうです。そして、「幸福とはこんな感覚だったのか」と価値観が逆転する程の衝撃を受けて帰っていくそうです。
著者のナミ・バーデンさんはその学校から指導者として認定された一人だそうです。
なので、多くの事例を紹介できていると思います。
この本では、「美しい心の状態で生きていく」と決めることを求めています。
そんな清々しい心でこれからの人生に向き合いたいと思いました。
2.どんな人に向いているのか?
日頃のストレスが多い人。
まわりの人の言動にイラッとしている人。
成功しているのに、なぜか居心地が悪い人。
心から納得できる解決策を求めている人。
不幸にも失敗してしまったけれど、それでもまだ成功したいと思っている人。
まわりの人といい関係を結びたいと思っている人。
家族/社員との関係をよくしたいと思っている人。
夫/妻との関係をよくしたいと思っている人。
親/子との関係をよくしたいと思っている人。
自分の心の奥底の本当の理想/夢を知りたい人。
ただし、世の中や周りが悪くて自分の人生がパッとしないと思っている人には、この本は早すぎます。
そんなあなたには、別の本を紹介します。
ウィル・ボウエン著「もう不満は言わない」から始めることをお勧めします。
3.本の目次
はじめに
序章 億万長者は、なぜ「心」を学ぶのか
第1章 「苦悩の心」を「美しい心」に変えるには
第2章 美しい心をつくる4つのステップ
第3章 あらゆる苦悩は解消できる
第4章 しがみついている理想像に気づくには
第5章 心をメンテナンスするためのメディテーション
おわりに
4.僕の心に刺さった内容
p8 人への苛立ちなど、どう考えても相手を変えるしかない、というような状況でさえも、心の中に意識を向け、奥底に潜む苦悩の正体を見つめていくと、本質的なところは他人の問題ではないことがわかります。
そして、その正体を特定することで、それまで悩んできたのが何だったのだろうと思うくらい思考がクリアになり、憑きものが落ちたように心がきれいに晴れる瞬間が訪れるのです。
p26 どれだけ資産を得ようと、激しい競争に勝とうと、有名になろうと、素晴らしい家族がいようとも、自分自身の心を理解し、心が快適な状態を認識しなければ、真の満足感を得ることはできないのです。
p42 人が美しい意識状態にあるとき、その人は「将来」のことを考えるのでもなく、「過去」のことを考えるのでもなく、ただ「今この瞬間」に集中しているからです。
目の前のことに集中しているときには、ネガティブな感情が一切生まれません。
p47 苦悩の状態にいるとき、人は漏れなく「アイコンシャス(I Conscious)」の意識になっています。この「アイ」とは英語の「私」。つまり、自分が中心になった意識状態であるということです。
(中略)
このような自分中心の意識状態にあると、自然と「どうして私ばかりこんな目にあうのか?」「どうせ私なんて価値がない」と、自分を憐れむ思考が生まれ、それにともなってネガティブな感情も生まれやすくなってしまうのです。。
p49 残念ながら、世の中のほとんどの人は「アイコンシャス(自分中心になっている意識状態)」なのですが、そのことにすら気づかず毎日を送っている人が大半です。
p68 旅行、飲食、買い物、運動、趣味、またあらゆる娯楽に共通するのは、すべてが「外」に解決策を求めているということです。
一時的に心の隙間を埋めたり、刺激を与えて忘れたりすることはできるかもしれませんが、どんな人に会っても、どこに行っても、何を食べても、(一瞬は高揚感があるかもしれませんが)結局は苦悩の状態がついて回ります。悩みの本質は外側にはないのです。
p69 いつもはふたをしている心の奥底に意識を向け、自分が本当は何に執着しているのかを見つけない限り、苦悩から抜け出すことはできないのです。
(中略)
誰もが自力で苦悩の正体にたどり着くことができ、一度たどり着くことができれば、自然とそれを手放すことができます。
p75 人は起きた出来事のせいで苦悩に陥っているのではない、ということです。ネガティブな感情とは、常に自分の心がつくり上げているものであり、起きた出来事は単なる引き金に過ぎなかった、ということに気づく必要があります。
p78 「私は悲しい(I am sad)」「私は寂しい(I am lonely)」という表現がありますが、感情に支配されると、人はあたかも「私=悲しい人」、「私=寂しい人」というセルフイメージをつくってしまいます。
本来であれば、感情と自分自身のキャラクター(アイデンティティ)は別ものです。「私は悲しみという感情を経験している」、「私は孤独という感情を経験している」が正しい表現になります。
p93 人はそれぞれ「こういう人であるべき」という自分の理想の姿(理想像)を掲げており、理想像と現実との間にギャップが起きると、その瞬間に苦悩の状態に入り、ネガティブな感情が湧いてしまうのです。
p98 (SNSで)今までは他人よりも成功しているように見せるため、旅行に行ったときの写真や、自分がプライベートで幸せそうにしている写真ばかりを載せていました。いかに自分が裕福か、幸せか、という自分中心の発信をしていたのです。
しかし、中島さんは今回の気づきにより「美しい心の状態」から発信することを徹底するようにした、と言います。
投稿する前に必ず、「この投稿は見た人を幸せにするかどうか?」を確認し、「自分の理想像を穴埋めするためにやっていないか?」と再確認してから発信するようにしたのです。
p100 いずれにしても重要なことは、理想像は無意識のうちに、いつの間にかつくられているということです。無意識のうちにできているものなので、心の奥底に意識を向けないことには、気づくことができません。
しかし、一度でもその存在に気づくことができれば「ああ! そうだったのか!」と腑に落ちる体験ができるものです。
p129 人間は、「MORE(もっと)」を追求し続けるものです。もっとほしい。もっと快適に。もっと効率的に。そのこと自体は否定すべきことではありません。
しかし問題なのは、「もっと何かがほしい」という願いが「苦悩の状態」から生まれたのか、「美しい心の状態」で生まれたのか、ということです。
苦悩の状態で生まれた願いは、達成されるにしろ、達成されないにしろ、あとで必ず自分を苦しめることになります。
p148 心の中で自分自身への批判の声が静まったとき、自然と自信は湧いてきます。
どんな理想像にもしがみつくことなく、今の自分をありのまま「Whole(全)」として受け入れること。自分に対しての批判、蔑み、評価する声がなくなったとき、初めて心の中に平穏が生まれ、ありのままの自分を受け入れ、肯定することができるようになります。
p154 変化していくことが当然であるにもかかわらず、過去の自分はこれができたのに、あれができたのに‥‥‥と悔やむのは、今の人生を捨てているに等しい行為なのです。
そうではなく、「今をどう生きると自分はよい状態でいられるのか」を知り、その方法を学んでいくことが必要になります。
p159 私たちが鉄則にしていることは、「美しい心の状態でのみ決断を下す」ことです。不安や恐れの気持がどこかにあると、いい結果が出ないことを何度も経験したからです。
「今しようとしている決断は恐れからきているのか、それとも将来への建設的なビジョンからきているのか、どちらだろうか?」と夫婦で確認をするようにしています。
p164 今に意識がなければ、いくら時間を過ごしても心のつながりを感じることができず、一瞬一瞬の美しい瞬間を捉えることもできません。そのために、一緒に過ごしている「時間が少ない」と彼自身の中で感じてしまっていたのです。
しかし、心の授業を学び、夫は激変しました。
子供と一緒の時間を過ごすときには、100%そこに「いてくれる」ようになったのです。意識が今にあり、家族の目や表情を見て、子どもたちと心でつながることができるようになりました。
私と話すときも目の前にいてくれて、心のつながりを感じられるようになったのです。
p213 私たちがしがみついている理想像には、(中略)まず、もっとも多いのが「成功者でありたい」という理想像です。次に「自分は価値のある人間である」がきて、そのあとに「いい人でありたい」「自分は賢い」「完璧な夫/妻、親/子、男/女でありたい」‥‥‥と続きます。
p220 しがみついている理想像を見つけた瞬間というのは、本当に「目から鱗」のような感覚があります。「あ、だからか!」と思わず膝を打つような瞬間(英語で言う Aha Moment)が訪れ、そんな理想像にしがみつくことへのバカバカしさに気づくのです。
それまで苦悩していたのがウソだったように心がクリアな状態になっていき、心の中で繰り返されてきた自分への批判、他人へのネガティブな感情がみるみる消え、むしろ「ありがとう」と言いたくなるような肯定的な感覚に満ちていきます。
p234 「私」というフィルターを通して世の中を見るのではなく、世界の中の一部として自分は存在している、とフォーカスを変えて行動をしていくと、いかに自分中心の意識にこだわることが無意味で儚いことかがわかります。
物事の本質がつかみやすくなり、意地を張って頑張るのではなく、自然と自分がしたいことのために努力をしていけるのです。
5.最後に
この本を読んで、世の中の人は皆、「成功者でありたい」と思っているんだと思いました。
周りを見渡して見ると、そんなに頑張っているように見える人はいないなあと思っていましたが、それは自分も同じということですかね。
思うだけでなく具体的な行動を起こさないと、何も変わらないと言うことですかね?
まあ、そのテーマは別の次元のことと考えるとして、この本の取り組みは自分の人生を変える力になると思います。