目次
1.この本の内容
2.どんな人に向いているのか?
3.本の目次
4.僕の心に刺さった内容
5.最後に
1.この本の内容
この本の内容を自分のことばで要約すると、
現代人はさまざまな外部の影響を受けて、時間に関して間違った思い込みをしている。
その偏見を取り除くための知見(研究結果・エビデンス)を紹介し、訓練方法(トレーニング法)を教えてくれています。
そのトレーニングをすることで、本来の時間感覚を取り戻し、自分の時間に集中して生きる状態に至ることを目的としています。
かなり大雑把なくくりですが、「時間がない」という感覚を正すのには役に立つと思います。
2.どんな人に向いているのか?
労働時間が増えていると思っている人
働く時間だけで、自由な時間がないと思っている人
忙しいが口ぐせの人
やるべきことが多すぎると思っている人
忙しい人は仕事ができると思っている人
時間管理を工夫したいと思っている人
もっと上手に時間を使いたい人
3.本の目次
第1章 時間にまつわる3つの勘違い
第2章 時間感覚を正す7つのフィックス
第3章 それでも時間がないあなたに贈るストレス対策
第4章 職場の「時間汚染」に打ち勝つ働き方
第5章 自分の時間を取り戻す8週間プログラム
4.僕の心に刺さった内容
p27 ポーランドのワルシャワ大学が行った研究によれば、「忙しい」と口に出すたびに、あなたの意識は未来や過去に向かい、そのせいで目の前の本当にやるべきことに集中できなくなるとのことです。
こうなると予定した作業はどんどん遅れてしまい、本当は余っていたはずの時間が無意味に浪費されるわけです。
p33 この実験でもうひとつ大事なのは、やるべきことが多いほど、実は生産性が下がってしまうことを明らかにした点です。当然ですが、仕事で大事なのは、作業の量よりもどれだけの成果を出したかでしょう。生産性が上がらないのに作業量だけ増やすのは、まさに時間のムダと言えます。
p47 さらに、もうひとつ問題なのが、大多数の人が「働くほど成果がでる!」といった思い込みを持っているところです。これも近年のデスクワーク研究によって確認された事実で、具体的なグラフで示すと上のようになります。
つまり、忙しい人たちは、「長く働いたせいで少し作業の効率は悪くなったかもしれないが、それでも平均よりは上をキープしているはずだ」と思ってしまいがち。しかし、本当の生産性を測ってみると、実際は平均をはるかに下回っているのです。
p69 意外と対策が難しいのが「思い込みコンフリクト」でしょう。あくまで自分の考えは正しいと思っているため、解決へのモチベーションがわきにくいからです。
そこでおすすめしたいのが、「セルフ・ディスタンシング」という手法。簡単に言えば、自分の悩みを他人事のように見るテクニックです。
p78 あなたは、普段こんなことをしていないでしょうか。
SNSを見ながら勉強をする、音楽を聞きながら仕事をする、スマホを見ながら食事をする……。
心当たりがあるなら、今日からすべてやめてください。複数の作業を同時に行う「マルチタスク」は、あなたの時間感覚をゆがめてしまう大きな原因だからです。
p85 マルチタスクで逆に時間を有効に使う方法
私たちの脳は、一度に同じ能力を使ったときにパニックを起こします。たとえば、メールの返事を書きながらオーディオブックで勉強したり、誰かと話しながらポッドキャストを聞けたりできないのは、すべてが脳の言語能力を使う作業だからです。
ということは、逆に言えば、まったく違う能力を使ったマルチタスクであれば、何の問題も起きないことになります。具体的な例をいくつか見てみましょう。
・ウォーキングマシンを使いながら本を読む。
・料理をしながら電話をする。
・皿を洗いながらオーディをブックを聞く
複雑なスポーツは無理ですが、ウォーキングやランニングのようにシンプルな運動や、すっかり身体が慣れてしまった家事や事務などは、いくら他の難しい作業と組み合わせても問題が起きません。
p91 呼吸を変えれば時間も変わる
実は最近、呼吸法によって「時間が足りない感覚」がやわらぐことがわかってきました。
たとえば、アメリカの男女を対象にした実験では、被験者に深呼吸をさせたところ、普通に呼吸をしたグループより15%ほど時間に余裕がある気持になりました。
p116 親切
時間術のひとつに「親切」が入っているのは、意外に感じるかもしれません。ただでさえ余裕がないのに、他人のために時間を使うヒマなんてない、と思ってしまうのが普通でしょう。
しかし、それは心理学的には完全に逆の話。本当は、他人のために時間を割いたほうが、自分の時間を有効に使えるようになるのです。
p144 スタンフォード大学が学生を対象に行った実験では、被験者たちに2種類の動画を60秒だけ見てもらいました。
1.幸福な気分になる動画(群衆が楽しそうな表情で旗を振っている様子など)
2.壮大な自然の動画(巨大な滝、クジラ、宇宙の映像など)
その後で学生たちの時間感覚を調べたところ、結果は予想を超えるものでした。壮大な自然の動画を見たグループは、幸福な気分になる動画を見たグループより、66%も時間が長くなったような感覚に変わったのです。
p169 SIT
運動がストレス解消に効くのは有名でしょう。(中略)しかし、心に時間の余裕がない人が、いきなり1日に30分も運動をするのは大変でしょう。(中略)
そこで私がおすすめしたいのが「SIT」という方法。「スプリント・インターバル・トレーニング」の略で、たった4分で心肺機能の改善や不安の解消効果などが得られるエクササイズです。
p185 「コーピング・レパートリー」は、昔からカウンセリングの世界でよく使われてきたテクニックのひとつ。そのポイントを簡単に言えば、「自分にとって有効なストレス対策をリストにしておく」というものです。
「コーヒーを飲む」や「風呂場で叫ぶ」や「指の関節をポキポキ鳴らす」など、誰でも自分のオリジナルなストレス対策をひとつやふたつは持っているでしょう。このような「マイストレス対策」をリストにしたものが「コーピング・レパートリー」です。
p210 スウェーデンのウメオ大学が行った研究でも怖い結果が出ています。同国で暮らす18万人の夫婦を調べたところ、なんと夫の通勤時間が45分を超えたところから、離婚率が40%も高くなっていたのです。
その原因はよくわかっていませんが、研究チームは2つの理由を有力視しています。
・通勤時間が長いビジネスマンは、仕事ができないので給料が低い
・学習能力が低い人ほど通勤が長くなる傾向がある
p222 ハーバード・ビジネススクールの研究チームが、一般のビジネスマンに性格テストをして、通勤のストレスに負けない人は何が違うのかを調べ上げたのです。
その結果、通勤に強い人と弱い人には、こんな違いがあることがわかりました。
・通勤に強い人:電車の中で仕事の準備をするなど、その日の目標に向かった作業をおこなっている
・通勤に弱い人:電車の中で音楽を聞いたりゲームをしたりなど、苦痛から逃げるために時間を使っている
一言でまとめれば、通勤に強い人と弱い人の差は「目的意識」です。
p261 そこで最後の第5章では、自分の時間を取り戻すための指針として、8週間のプログラムを組んでみました。
このプログラムは、時間にまつわる心理的なブロックを少しずつ外していくようにデザインされています。
まず最初の数週間では、一般的な「時間術」をいくつか試してみて、本当に時間の感覚が伸びるかどうかを体験してください。いずれも定番の時間管理法に近いテクニックなので、心理的な抵抗を感じずにすみます。
そして、時間感覚が変わる状態を理解できたら、その次の数週からは、いよいよ本格的に失われた時間を取り戻すためのトレーニングに進んでいきましょう。
5.最後に
この本の中でDaiGoさんは、週30時間までが生産性が高いと言っています。
30時間ということは、週5日働いて、毎日6時間までがちゃんと集中できる時間という数字になります。
そう言われてみると、自分が高い集中力を持って働いている時間なんて4時間あるだろうかという感覚があります。
ということは、この短い時間に集中力を発揮してすべき仕事は何か? そこを見極める力こそがとても重要なことだと感じます。